「急に腰が抜けるように痛くなった…」
「ぎっくり腰って結局どこが痛いの?」
「どういう状態になっているのか知りたい」
ぎっくり腰は“魔女の一撃”とも呼ばれ、突然の激痛で動けなくなる厄介な症状です。しかし、その正体は 1つではありません。
実は、
✔ ぎっくり腰は“痛い場所”によって原因が異なる
✔ 人によって“どういう状態”になっているかはバラバラ
なのです。
本記事では整骨院の視点から、
「ぎっくり腰 どこが痛い」→原因別の見極めポイント
「ぎっくり腰 どういう状態」→体の中で何が起きているのか
を専門的かつわかりやすく解説します。
そもそもぎっくり腰は“どういう状態”?整骨院がまず見るポイント
多くの人が「ぎっくり腰=筋肉の肉離れ」と思いがちですが、実際は次のような複数の組織が原因になります。
①筋肉の急激な緊張・微細損傷(最も多いタイプ)
重い物を持った瞬間にビキッ!
くしゃみ・起き上がりでギクッ!
これは、
- 腰の筋肉(脊柱起立筋)
- お尻の筋肉(大殿筋・中殿筋)
- 腰の深層筋(多裂筋・腰方形筋)
などが急に縮んだり、微細な損傷を起こして痛みが出る状態です。
特徴
- 腰の真ん中や少し横が痛い
- 前にも後ろにも曲がれない
- 触ると筋肉のハリ・熱を感じる
②関節(椎間関節)のロック・炎症
腰の後ろ側には、背骨どうしをつなぐ「椎間関節」があります。
ここが捻じれる・つまる・炎症が出ると…
- 腰の奥がズキッと痛い
- 後ろに反ると激痛
- 起き上がり・寝返りが困難
特に「後ろ側の腰が痛い人」「伸ばせない人」に多いタイプです。
③仙腸関節のトラブル(骨盤が原因のぎっくり腰)
腰ではなく、**骨盤の付け根(お尻の横)**に痛みが出るタイプ。
特徴
- 立つ・片足に体重をかけると痛い
- 座り立ちが特にしんどい
- 腰というより骨盤がズキッとする
整骨院で意外と多いのがこのパターンです。
④筋膜のねじれ・癒着による痛み
ぎっくり腰の中には筋肉そのものより、
筋膜の“急な緊張・滑走不良” が原因のケースも多いです。
- 動いた瞬間だけ激痛
- 姿勢を変えた瞬間に痛む
- 安静にしていると少し楽
という特徴があります。
⑤神経の過敏反応(防御性のぎっくり腰)
体が「これ以上動くと危ない!」と判断して、
筋肉をカチカチに固めてしまう状態です。
姿勢を変えるだけで強い痛みが走り、
腰のどこが痛いか特定しにくい のが特徴です。
ぎっくり腰は“どこが痛いか”で原因が見える
「ぎっくり腰 どこが痛い?」
この質問に答えられると、整骨院では原因をかなり絞れます。
ここでは、痛みの位置ごとに原因を解説します。
痛い場所別|ぎっくり腰の原因と状態
①腰の真ん中が痛い → 筋肉の急性トラブルの可能性大
腰のちょうど中央が痛む場合は、
- 脊柱起立筋の過緊張
- 多裂筋の微細損傷
- 筋膜の緊張
が考えられます。
どういう状態?
筋肉が一気に縮んだり、固まってロックしている状態。
温め・ストレッチは悪化要因となることも。
②腰の片側が痛い → 椎間関節 or 仙腸関節の可能性
特に、
- 「後ろに反ると痛い」
- 「片側がズキッとする」
これは椎間関節性ぎっくり腰の典型です。
逆に…
- 「立つ瞬間」「片足立ち」で痛い
- 腰というより骨盤が痛い
これは仙腸関節性ぎっくり腰が疑われます。
どういう状態?
背骨の関節や骨盤の関節が炎症・ロックを起こしている状態。
③お尻の横が痛い → 仙腸関節の異常が濃厚
腰痛と思って来院した人の中には、
実はお尻の横(骨盤の付け根)が原因のケースが非常に多いです。
特徴
- 腰よりもお尻の横が痛い
- 足を着くと響く
- 歩くのが辛い
どういう状態?
仙腸関節のゆるみ・ズレ・炎症などにより、周辺筋肉が過剰に緊張。
④腰の奥の一点が痛い → 椎間関節性ぎっくり腰
鋭い痛みが“奥に刺さる”ように出るなら、
椎間関節が原因である事が多いです。
どういう状態?
背骨の関節がロックし、わずかな動きも痛む状態。
⑤腰全体が固まって痛い → 神経性の防御反応
痛みの範囲が広く、
- どこが痛いか説明できない
- 立てない・動けない
- 冷や汗が出るほど痛い
という場合は、神経性の緊張・防御反応が強く出ています。
どういう状態?
“これ以上動くと危険”と脳が判断し、筋肉を全体的にロックする状態。
整骨院が行うぎっくり腰の検査|原因をどう見極める?
整骨院では以下を組み合わせて原因を特定します。
①痛む動作で判定する
- 前屈が痛い → 筋肉
- 反ると痛い → 椎間関節
- 横に倒すと痛い → 仙腸関節
- 立つ瞬間が痛い → 骨盤周囲
動作テストは非常に重要です。
②押して痛む場所を確認(圧痛検査)
- 脊柱起立筋 → 筋肉性
- PSIS(お尻の横) → 仙腸関節
- 椎間関節ライン → 関節性
- 広範囲が痛い → 神経性
押したときの反応で原因が絞れます。
③可動域テストでロックの有無を確認
関節がロックしているか、筋肉が固まっているかを動きの質で判定します。
ぎっくり腰の原因別|最適な対処法
筋肉性のぎっくり腰
- 冷やす
- 軽いマッサージ
- 深呼吸で力を抜く
(ストレッチは炎症があると逆効果。)
椎間関節性ぎっくり腰
- まず冷やす
- 無理に反らない
- 骨盤を安定させるテーピングが有効
仙腸関節性ぎっくり腰
- 立つ・座る動作に注意
- 骨盤を支える施術が必要
- 自己流ストレッチは悪化しやすい
神経性ぎっくり腰
- とにかく安静
- 息が止まるような動きは避ける
- 温めるのはNG
治療家が教える“発症後のNG行動”
❌ 無理にストレッチする
炎症が悪化する可能性大。
❌ 湯船で温める
急性期は炎症が強くなる。
❌ 痛みを我慢して動く
関節ロックや筋損傷が進行。
❌ 中腰で動き続ける
原因を悪化させる代表的な姿勢。
ぎっくり腰は“早期治療”で回復スピードが変わる
整骨院で行う治療は、原因によって使い分けます。
- 筋肉性 → 深層筋調整・筋膜リリース
- 関節性 → 関節モビライゼーション
- 仙腸関節性 → 骨盤調整
- 神経性 → 防御反応を緩める調整
1回で大きく動けるようになる方も多く、
早期に施術するほど回復が早くなります。
まとめ|ぎっくり腰は“痛む場所”で原因がわかる!
- ぎっくり腰は“どういう状態か”が人により異なる
- 「どこが痛いか」で原因の見極めが可能
- 筋肉・関節・骨盤・筋膜・神経など複数の要因が存在
- 早期に整骨院で検査するほど回復が早い
ぎっくり腰は放置すると「クセ」になりやすいため、
痛みが強い時こそ専門家の診断・施術が重要です。


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