背中の右側に感じる痛みや違和感は、多くの方が経験する症状です。「肩こりかな?」と思って放置しがちですが、実は原因は筋肉だけでなく、筋膜の硬さや内臓の状態、肩甲骨の動きの乱れに起因することがあります。
整骨院では、痛みの場所だけでなく、肩甲骨や肋骨、背骨、さらには内臓との関連まで幅広く評価し、根本原因を特定します。本記事では、背中右側の痛みと肩甲骨痛の関係、整骨院での見分け方と改善方法を詳しく解説します。
背中右側の痛みが起こるメカニズム
背中右側の痛みは、単なる筋肉疲労ではなく、複数の要因が絡み合って発生します。原因を正確に理解することが、再発防止につながります。
肩甲骨痛の代表的な原因
肩甲骨周囲の痛みは、以下の要因で起こることが多いです。
- 肩甲骨周囲筋の硬直
肩甲骨内側や周囲の筋肉(僧帽筋・菱形筋など)が硬くなると、肩甲骨の動きが制限され、痛みが発生します。 - 筋膜の癒着や硬化
長時間のデスクワークや同じ姿勢の継続で、肩甲骨周囲の筋膜が固まり、痛みや違和感を引き起こすことがあります。 - 肋骨の動きの制限
肋骨の動きが悪いと肩甲骨の可動域も狭くなり、右側だけに痛みが集中することがあります。
背中右側の痛みと内臓の関係
右背部の痛みが内臓由来の場合もあります。例えば:
- 肝臓や胆嚢の異常 → 右肩甲骨周囲や背中右側の違和感
- 胃や腸の不調 → 右背中に鈍痛を感じることも
ただし、整骨院での施術対象は主に筋骨格系です。内臓由来の痛みが疑われる場合は、整形外科や内科の診察を推奨します。
肩甲骨痛か内臓痛か―整骨院の見分け方
整骨院では、痛みの場所だけで判断せず、肩甲骨や背骨、肋骨、筋膜の状態を総合的にチェックします。
① 可動域チェック
- 肩を前後・上下に動かす際の肩甲骨の動き
- 可動域が狭く、動かすと痛む場合は筋肉・筋膜由来の痛みの可能性大
② 筋膜の硬さ確認
- 肩甲骨周囲の押圧で痛みが出るか
- 筋膜が硬く、肩甲骨の可動域が制限されているかをチェック
③ 姿勢と骨格のバランス
- 猫背や巻き肩の有無
- 背骨・骨盤のゆがみ
- 肩甲骨の左右差がある場合、右側だけ痛むことが多い
④ 内臓由来の可能性チェック
- 動作で痛みが増減しない場合
- 深呼吸や肩甲骨の動きでは痛みが変わらない場合
- こうした場合は、内臓の異常も疑い、整形外科や内科への受診が必要
整骨院で行う肩甲骨痛の改善アプローチ
肩甲骨痛が筋肉や筋膜由来であれば、整骨院では以下の施術で根本改善を目指します。
① 筋膜リリースで深層筋をほぐす
肩甲骨内側や周囲の僧帽筋・菱形筋の硬さをほぐし、肩甲骨の可動域を改善します。筋膜リリースにより、肩甲骨の動きがスムーズになり痛みが軽減されます。
② 肋骨や肩甲骨の調整
肋骨の動きが悪いと肩甲骨が正しく動かず、痛みが慢性化します。整骨院では手技により肋骨の動きを改善し、肩甲骨周囲の負担を軽減します。
③ 姿勢改善・体幹の安定化
肩甲骨周囲の筋肉だけでなく、背骨や骨盤のバランスを整えることで、肩甲骨への過剰な負荷を予防します。体幹の深層筋を鍛えることも重要です。
自宅でできる肩甲骨痛ケア
整骨院での施術に加え、自宅でのセルフケアも痛み改善には有効です。
肩甲骨ストレッチ
- 壁に手をついて肩甲骨を寄せたり離したり
- 呼吸に合わせてゆっくり動かす
- 1日数回繰り返す
タオルやストレッチポールを活用
- タオルを背中で持ち、肩甲骨を開閉
- ストレッチポールで肩甲骨周囲の筋肉をほぐす
- 肩甲骨の可動域改善に効果的
日常生活での姿勢改善
- PCやスマホは目線の高さに
- 猫背や巻き肩に注意
- 長時間同じ姿勢を避け、肩甲骨を意識的に動かす
まとめ
背中右側の痛みや肩甲骨痛は、単なる肩こりや疲労だけでなく、筋膜や肋骨の動きの制限が原因となることがあります。整骨院では、肩甲骨や肋骨、背骨、筋膜を総合的にチェックし、根本改善の施術を行います。
- 肩甲骨痛の原因は深層筋や筋膜、肋骨の動きの制限が多い
- 内臓由来の痛みは整形外科や内科での診察が必要
- 整骨院での施術+自宅でのストレッチ・姿勢改善が再発防止につながる
背中右側の痛みを軽視せず、肩甲骨や背骨のバランスを整えるケアを早めに始めましょう。


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