整骨院院長が語る椎間関節性腰痛と仙腸関節性腰痛の根本ケア法 vs 整形外科治療

目次

レントゲンでは「異常なし」でもツラい腰痛の正体とは?

「長時間立っていると腰が重い…」
「反るとズキッとするけど、整形外科では異常なし」
「朝起きたときや歩き始めがつらい」

こうした腰痛の原因として近年注目されているのが、**「椎間関節性腰痛」「仙腸関節性腰痛」**です。
どちらも、画像診断では明確な異常が見つかりにくく、慢性的な痛みとして放置されがちです。

本記事では、整骨院の視点から、

  • それぞれの腰痛の違い
  • 整形外科治療との比較
  • 根本ケア法

について詳しく解説します。


椎間関節性腰痛と仙腸関節性腰痛の違いとは?

椎間関節性腰痛とは?

背骨の後方にある椎間関節は、背骨を滑らかに動かすために重要な関節です。
加齢や姿勢不良、過度の負担によりこの関節に炎症が起こると、腰部に鋭い痛みや動作制限を引き起こします。

主な症状:

  • 反ると痛い(後屈時痛)
  • 同じ姿勢で立ち続けると痛みが悪化
  • お尻の上〜腰部にかけての鈍痛
  • 朝の動き始めに痛むが、動くとやや楽になる

仙腸関節性腰痛とは?

仙腸関節は、骨盤を形成する仙骨と腸骨の間にある関節で、身体のバランスを保つ重要な構造です。
ここに微細なズレや動きの制限が起こることで、腰痛・坐骨神経様の痛み・股関節の不安定感などが発生します。

主な症状:

  • お尻の奥、骨盤の真ん中あたりがズキッと痛む
  • 片足立ちや階段での痛み
  • 妊娠・出産後やスポーツによる腰痛に多い
  • 寝返りや起き上がりがつらい

見分け方のポイント

観点椎間関節性腰痛仙腸関節性腰痛
痛みの部位腰椎(背骨の真ん中)骨盤の横〜お尻周辺
痛む動作反る・立つ動作寝返り・片足体重移動など
出現しやすい人加齢・姿勢不良・反り腰妊婦・産後・スポーツ選手
画像検査映らないことが多いほとんど映らない

整形外科治療 vs 整骨院ケアの違い

整形外科でのアプローチ

整形外科は「診断」と「投薬・注射」が主な治療手段です。

利点:

  • レントゲンやMRIによる精密検査が可能
  • 重篤な疾患(ヘルニア・圧迫骨折・腫瘍など)の除外に有効
  • 痛み止めやブロック注射による即効性

限界:

  • 椎間関節・仙腸関節は画像で異常が出にくい
  • 痛みの原因が構造ではなく「機能障害」の場合、改善が難しい
  • 動作や姿勢の根本的改善までは踏み込まれにくい

整骨院でのアプローチ

整骨院では「姿勢・筋肉・関節の動き」を総合的にチェックし、手技・運動療法・矯正などで根本改善を目指します。

利点:

  • 骨盤の歪みや筋バランスから原因を探る
  • 手による微細な関節調整が可能(モビリゼーション)
  • セルフケアや生活指導を通じた再発防止

限界:

  • 画像診断は行えない(医師の診断が必要なケースは紹介)
  • 自費治療となることが多い(保険適用には条件あり)

整骨院による根本ケア法

1. 姿勢・可動域・筋肉バランスの評価

初回では、以下のようなポイントを丁寧にチェックします。

  • 骨盤の前傾・後傾、左右バランス
  • 腰椎の可動性(前屈・後屈・側屈)
  • 仙腸関節の可動検査(片脚荷重など)
  • 筋緊張・圧痛ポイント(多裂筋・腸腰筋・臀筋群など)

2. 手技による関節調整

関節の動きを取り戻すことで、痛みの原因となる**「詰まり」や「ロック状態」**を解消していきます。

  • 椎間関節:後方の圧迫を解除するようなモビリゼーション
  • 仙腸関節:骨盤調整によりスムーズな連動を促す

3. 筋膜リリース・ストレッチ

  • 腰方形筋・多裂筋・中臀筋などの深部筋アプローチ
  • 仙腸関節周囲の靭帯や筋膜の緊張緩和
  • 動的ストレッチで、関節の柔軟性を取り戻す

4. インナーマッスル強化&生活指導

  • 腰椎・骨盤を安定させるための体幹トレーニング(ドローイン、ブリッジなど)
  • 姿勢改善(座り方・寝方・起き上がり動作)
  • 負担を軽減する生活習慣の見直し

整形外科・整骨院の併用は可能?

はい、併用することで互いの利点を活かすことが可能です。

たとえば、

  • 整形外科でMRI検査→異常なし
  • 整骨院で姿勢・関節可動をチェック→椎間関節性腰痛の疑い
  • 整骨院で施術→痛み軽減
  • 整形外科に経過報告、必要があれば連携

というような流れは、現場でもよく見られます。


患者さまの声|整骨院で改善した例

ケース①|40代女性・事務職

症状:朝の起き上がりや長時間座ったあとに腰が痛む
診断:整形外科では異常なし
整骨院でのアプローチ:仙腸関節の可動調整+体幹トレーニング
経過:3週間で寝起きの痛みが軽減し、1ヶ月後には日常生活が楽に


ケース②|50代男性・自営業

症状:反ると腰が鋭く痛む、長時間立つのがつらい
診断:整形外科での画像異常なし
整骨院での評価:椎間関節の可動制限あり
施術:椎間関節モビリゼーション+深層筋アプローチ
経過:2ヶ月後には仕事に支障なく活動可能に


「整える力」で再発しない腰を

  • 椎間関節性腰痛も仙腸関節性腰痛も、「画像に映らない腰痛」の代表格
  • 整形外科は診断と対症療法が得意
  • 整骨院は原因を“動き・姿勢”から分析し、根本ケアに特化
  • 両者の特性を理解して、使い分けor併用を
  • 一時しのぎではなく「再発しない体づくり」が大切
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